無題のブログ

ひとりごとのようにつらつらと。

数学を使ったマジックの問題

[中学数学][規則性]

塾の中学生の生徒向けに問題を作ったから公開。規則性というよりかは文字の表し方かな。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

【問題】
かおりさんは,数学を使ったマジックについて調べていた。次の問いに答えなさい。
(1) かおりさんは,下のような【マジックⅠ】を見つけた。ただし、手順Ⅰ-1とは、【マジックⅠ】の手順の1番目という意味を表す。

【マジックⅠ】

≪相手が最後に思い浮かべた数字を当てるマジックの手順≫
手順Ⅰ-1:好きな数字を思い浮かべてもらう 
手順Ⅰ-2:その数字に1を足してもらう
手順Ⅰ-3:手順Ⅰ-2の計算結果に2をかけてもらう 
手順Ⅰ-4:手順Ⅰ-3の計算結果に6を足してもらう 
手順Ⅰ-5:手順Ⅰ-4の計算結果を2で割ってもらう
手順Ⅰ-6:手順Ⅰ-5の計算結果から、手順Ⅰ-1で思い浮かべた数字を引いてもらう

以上の手順Ⅰ-1からⅠ-2を行うと,手順Ⅰ-1でどんな数字を思い浮かべても必ず  になる。よって,相手は必ず最後に      を思い浮かべているので,まるで超能力で分かったかのように「あなたは      を思い浮かべていますね」と言えば良い。

(a)  にあてはまる数を書きなさい。
(b) かおりさんは,手順Ⅰ-1から手順Ⅰ-6を行うとどうして必ず になるのかが気になり,学校の先生に理由を聞いたところ,下のような【説明】を受けた。【説明】の  ・  にあてはまる式を書きなさい。

【説明】

 手順Ⅰ-1で思い浮かべる数字をxとする。手順Ⅰ-2を行うとx+1になるから,手順Ⅰ-3を行うと    になる。さらに手順Ⅰ-4と手順Ⅰ-5を行うと      になる。よって,最初にどんなxを思い浮かべても,手順Ⅰ-6を行えば      になる。

 (2) かおりさんは,最初に思い浮かべた数を当てるマジックはできないか調べていたところ,下のような【マジックⅡ】を見つけた。【マジックⅡ】は,手順Ⅱ-1で思い浮かべた数にある数をかけることを利用したマジックである。ある数を求めなさい。

【マジックⅡ】

≪相手が最初に思い浮かべた数字を当てるマジックの手順≫
手順Ⅱ-1:好きな2桁の数字を思い浮かべてもらう
手順Ⅱ-2:その数字に5をかけてもらう
手順Ⅱ-3:手順Ⅱ-2の計算結果に4をかけてもらう
手順Ⅱ-4:手順Ⅱ-3の計算結果に5をかけてもらう
手順Ⅱ-5:手順Ⅱ-4の計算結果に、手順Ⅱ-1で思い浮かべた数を足す。

以上の手順Ⅱ-1からⅡ-5を行うと,手順Ⅱ-1で思い浮かべた数が2つ並んだような数を相手は思い浮かべている。よって,「最初に思い浮かべた数字が2つ並んでいますね」と言えば良い。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

解答は続きから。

続きを読む

ベルヌーイ多項式を0から1で積分する。

[大学数学][解析学]ベルヌーイ多項式

ベルヌーイ多項式について大学のゼミ*1で触れていた。
ベルヌーイ多項式は色んな定義の仕方があるけれど、今回は以下の定義を使った。

 \displaystyle \frac{ze^{xz}}{e^z-1}=\sum_{n=0}^{\infty} \frac{B_n(x)}{n!}z^n

テイラー展開を用いて係数比較することでB_n(x)を求めることができる。
例えばn=0,1,2,3,4,5のときは、

 B_0(x)=1
 B_1(x)=x-\frac{1}{2}
 B_2(x)=x^2-x+\frac{1}{6}
 B_3(x)=x^3-\frac{3}{2}x^2+\frac{1}{2}x
 B_4(x)=x^4-2x^3+x^2-\frac{1}{30}
 B_5(x)=x^5-\frac{5}{2}x^4+\frac{5}{3}x^3-\frac{1}{6}x

これらを0から1の範囲でリーマン積分すると、面白い結果が。

 \displaystyle \int_{0}^{1}B_0(x)=1
 \displaystyle \int_{0}^{1}B_1(x)=\int_{0}^{1}B_2(x)=\cdots=\int_{0}^{1}B_5(x)=0

この結果から、次のことが予想できる。

 \displaystyle \int_{0}^{1}B_n(x)=0 (n\geqq1) 即ち、B_n(1)=B_n(0) (n\geqq1)

どうしてこんなことが言えるんだ不思議だなぁと思って暫く悩んでいたが、次の関係式が答えを明らかにした。

*1:ゼータ関数に関連する話題として取り上げていた。

続きを読む