無題のブログ

ひとりごとのようにつらつらと。

数学を使ったマジックの問題

[中学数学][規則性]

塾の中学生の生徒向けに問題を作ったから公開。規則性というよりかは文字の表し方かな。

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【問題】
かおりさんは,数学を使ったマジックについて調べていた。次の問いに答えなさい。
(1) かおりさんは,下のような【マジックⅠ】を見つけた。ただし、手順Ⅰ-1とは、【マジックⅠ】の手順の1番目という意味を表す。

【マジックⅠ】

≪相手が最後に思い浮かべた数字を当てるマジックの手順≫
手順Ⅰ-1:好きな数字を思い浮かべてもらう 
手順Ⅰ-2:その数字に1を足してもらう
手順Ⅰ-3:手順Ⅰ-2の計算結果に2をかけてもらう 
手順Ⅰ-4:手順Ⅰ-3の計算結果に6を足してもらう 
手順Ⅰ-5:手順Ⅰ-4の計算結果を2で割ってもらう
手順Ⅰ-6:手順Ⅰ-5の計算結果から、手順Ⅰ-1で思い浮かべた数字を引いてもらう

以上の手順Ⅰ-1からⅠ-2を行うと,手順Ⅰ-1でどんな数字を思い浮かべても必ず  になる。よって,相手は必ず最後に      を思い浮かべているので,まるで超能力で分かったかのように「あなたは      を思い浮かべていますね」と言えば良い。

(a)  にあてはまる数を書きなさい。
(b) かおりさんは,手順Ⅰ-1から手順Ⅰ-6を行うとどうして必ず になるのかが気になり,学校の先生に理由を聞いたところ,下のような【説明】を受けた。【説明】の  ・  にあてはまる式を書きなさい。

【説明】

 手順Ⅰ-1で思い浮かべる数字をxとする。手順Ⅰ-2を行うとx+1になるから,手順Ⅰ-3を行うと    になる。さらに手順Ⅰ-4と手順Ⅰ-5を行うと      になる。よって,最初にどんなxを思い浮かべても,手順Ⅰ-6を行えば      になる。

 (2) かおりさんは,最初に思い浮かべた数を当てるマジックはできないか調べていたところ,下のような【マジックⅡ】を見つけた。【マジックⅡ】は,手順Ⅱ-1で思い浮かべた数にある数をかけることを利用したマジックである。ある数を求めなさい。

【マジックⅡ】

≪相手が最初に思い浮かべた数字を当てるマジックの手順≫
手順Ⅱ-1:好きな2桁の数字を思い浮かべてもらう
手順Ⅱ-2:その数字に5をかけてもらう
手順Ⅱ-3:手順Ⅱ-2の計算結果に4をかけてもらう
手順Ⅱ-4:手順Ⅱ-3の計算結果に5をかけてもらう
手順Ⅱ-5:手順Ⅱ-4の計算結果に、手順Ⅱ-1で思い浮かべた数を足す。

以上の手順Ⅱ-1からⅡ-5を行うと,手順Ⅱ-1で思い浮かべた数が2つ並んだような数を相手は思い浮かべている。よって,「最初に思い浮かべた数字が2つ並んでいますね」と言えば良い。

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解答は続きから。



【解説】

(1)(a)
実際に何か好きな数字で計算してみれば良い。例えば,5で実行すれば,
  \displaystyle \frac{2(5+1)+6}{2}-5=4
どの数字で実行しても,答えは4となる。


(1)(b)
手順通りにxを計算すれば良い。手順Ⅰ-3を行うということは,x+1に2を掛けるということなので,イの答えは2x+2となる。
さらに手順Ⅰ-4と手順Ⅰ-5を行うということは,2x+2に6を足した後に2で割れば良いので,ウの答えは(2x+2+6)\div2=x+4となる。
よって,x+4から最初に思い浮かべた数xを引く,即ち手順Ⅰ-6を行うと4となり,最初にどんな数を思い浮かべても必ず4となるようにマジックが作られている。


(2)
2桁の数字をxと考えてマジックを実行してみれば良い。
  x\displaystyle \times5\times4\times5+x=100x+x=101x
従って,最初に思い浮かべたxに101をかけた結果となっている。
実際,例えば18を思い浮かべたとすると,18\times101=1818となり,思い浮かべた数が2つ並んだような数になっている。